第46回 ExCELLSセミナーを開催いたします。
※本セミナーは日本語で実施されます。Seminar Language: Japanese
日時
2025年2月25日(火) 16:00〜17:00
開催形式
ハイブリッド
【会場】山手3号館2F西 大会議室
【配信】Zoom ※所内メールでURLをお知らせします
演者
小田 裕香子 教授
京都大学 生命科学研究科 高次生体統御学
題目
細胞間接着制御から理解する上皮組織の構築・維持機構と疾患制御
要旨
上皮組織は外界のさまざまなストレスにさらされ傷害をうけるが、損傷した組織は自律的に再生・修復する。近年我々は、損傷した上皮組織を修復する生体由来因子として、細胞間接着誘導活性を持つ新規生理活性ペプチドJIP(tight junction-inducing peptide)の同定に成功した。JIPは、抗炎症タンパク質alpha1-antitrypsinのC末端由来35-42残基からなり、細胞間接着の1つであるタイトジャンクション(TJ)を誘導する。JIPの作用メカニズムとして、細胞膜を貫通してヘテロ三量体Gタンパク質G13を直接活性化し、細胞間接着部位のアクチン骨格を再編成することを見出した。また、DSS誘導性の腸炎モデルマウスを用いた実験から、JIPの投与によって腸炎が抑えられることを見出した。さらに、DSS誘導性腸炎モデルマウスに対してJIPの中和抗体を投与したところ、TJバリアの再構築が遅れることがわかった。これらの結果より、JIPは上皮組織修復に貢献していると考えられた。本セミナーでは、最近見出しているJIPの新たな機能と疾患制御へのアプローチについて紹介するとともに、細胞間接着の制御から理解する多細胞システムについて議論したい。
ポスター
お問い合わせ先
矢木 宏和(糖鎖構造機能解析グループ)
加藤 晃一(生命分子動秩序創発研究グループ)