センター長メッセージ

センター長 加藤 晃一
生命創成探究センター(ExCELLS)は、生命の根源的理解とその設計原理の探究という現代生命科学の要請に応えるべく、異分野融合を基盤とした共同利用研究拠点として設立されました。近年、先端計測技術や情報科学の急速な進展により、生命科学の研究様式は大きく変容しており、従来の分野区分や単一研究室の枠組みでは捉えきれない生命現象に対して、新たな研究様式とそれを支える組織の在り方が求められています。
生命は、分子から細胞、個体、さらに高次の生命システムに至るまでの多階層・多要素から成る動的なシステムであり、その理解には異なる研究様式を連関させることが不可欠です。ExCELLSは、これまでの開かれた運営を通じて、「知の梁山泊」としての機能を培ってまいりました。今後はさらに、AI for Scienceの潮流の中でこれらを組織的に結びつけ、相互に触発し合う研究環境を構築することで、新たな知の創出を一層加速してまいります。
また、こうした研究を支える共同利用研究基盤の整備と持続的な運用を通じて、国内外の研究者・研究機関を結びつけ、知と人材の循環を促進し、分野や組織の枠を越えた研究を推進できる環境を一層整えてまいります。
ExCELLSの意義は、個別の研究の連携にとどまらず、学問そのものが変容しつつある状況に対して、組織として応答する点にあります。
センター長として、この重要な時期にExCELLSの発展を支え、その成果を次の時代へとつないでいく所存です。皆様のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
センターの挑戦

「生きているとは何か?」という人類共通の根源的な問いに真正面から立ち向かう大規模研究拠点は、世界的にも例がありません。ExCELLSは、これまでにない独創的な視点を持った多様な研究者が集い、次世代の生命科学研究を開拓する、新しい研究センターです。「みる・よむ・つくる」を基軸に、学際的かつ独創的な研究を展開していきます。
創成研究領域
「みる」ことで学ぶ生物学から「よむ」「つくる」ことで学ぶ生物学への流れを実現し、この3つのアプローチを一体として研究を進めていくことで、「生きているとは何か」の解明を目指します。

革新的な計測手法を開発し、複雑な生命システム全体の中における各構成要素のダイナミックな振る舞いをありのままに観測します。さらに、その背景にある物理化学的諸量の変化の可視化を行っていきます。

計測・観測を通じて蓄積されていく多様な生命情報の中に隠されている意味を解読し、理論体系化し、予測します。そのための情報科学・理論科学・計算科学的アプローチを発展させます。

生命システムを実験的に構成すること、あるいは計算機上で構築することを通じて、外部環境の変動の中で秩序創発していくロバストな生命の本質を統合的に理解することを目指します。
さらに、生命の始原形態や環境適応戦略を理解するために極限環境生命の研究者とも協力しながら、異分野融合型の新研究を進めていきます。
