研究内容

深海や地下深部といった太陽光の届かない地球の暗黒環境における生命圏はゲノム情報以外何ら知見のない未知の微生物が 99％以上を占め、光合成によって駆動される光の生命圏と大きく異なる環境条件に適応した独特の機能を有していることが分かってきました。このような暗黒の生態系における未知の微生物や生理機能は、宇宙におけるダークマターやダークエネルギーになぞらえて、ダークマター生命やダークエネルギー代謝と呼ばれます。これら生物学におけるダークマターを理解し、人類が利用することができるようにするためには、自然環境中や実験室内で、また微生物群集レベルや細胞・分子レベルで、その生命機能を「みる・よむ・つくる」ことが必要です。「しんかい 6500」や「ちきゅう」といった海洋研究開発機構の持つ世界最先端の探査プラットフォームを活用して、暗黒の生態系におけるダークマター生命やダークエネルギー代謝を探査し、その多様性や機能の体系的理解を目指します。