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2018年12月30日
  • セミナー
4ExCELLSセミナー

題目
ショウジョウバエの求愛歌受容を担う神経メカニズム
~聴覚系の構造、機能、そして可塑性まで~

演者
上川内 あづさ 教授
名古屋大学 理学研究科 生命理学専攻

日時
2018年12月21日(金)16:00〜

場所
自然科学研究機構 生命創成探究センター(ExCELLS)
山手3号館2階 大会議室
(愛知県岡崎市明大寺町字東山5-1)

要旨
歌は、脳でどのように理解されるのだろうか?私たちはショウジョウバエをモデルとして、この課題に取り組んでいる。

ショウジョウバエのオスは求愛歌を奏でてメスを魅惑する。その求愛歌情報は、脳でどのように処理されるのだろうか?この神経機構を解明するため、私たちはこれまでに聴覚系研究を進めてきた。まずは光学顕微鏡レベル、そして電子顕微鏡レベルで、低次聴覚神経回路の網羅的な解析を行なった。その結果、ハエの脳でも、音情報は哺乳類と同様に脳内で並列分散処理されることが示唆された。次に、求愛歌情報を処理する神経回路に着目し、特定のリズムを抽出する神経回路機構として、GABAを介したフィードフォワード神経回路機構を発見した。さらにハエが特定の歌を好むようになる背景として、聴覚経験に依存した歌識別能力の向上、という学習現象を発見し、その機構を担う神経機構も解明した。本セミナーではこれらの結果を概観するとともに、他の動物種の歌識別システムとも比較して議論したい。

※本セミナーは日本語で実施されます。スライドは英語表記です。

ポスター

※ポスター画像をクリックするとダウンロードが可能です。

お問い合わせ先
曽我部(温度生物学研究グループ)

当日の様子