下記の「スピン生命フロンティア (Spin-L)」主催セミナーを開催します。ぜひご参加ください。
日時
7月23日(火)16:00〜17:30頃
開催形式
分子科学研究所 研究棟201室 + オンライン(Zoom)のハイブリッド
講師
兵藤 文紀 先生(岐阜大学医学系研究科 薬理病態学分野)
題目
新たな超核偏極MRIの開発とトランスレーショナル研究
要旨
MRIの感度を増幅する超核偏極法は、MRIの弱点であった感度を克服することでMRIによる新たな機能・代謝イメージングに基づく画像診断への応用が期待されている。それ故、超核偏極材料に基づく化学的な超偏極法(chemically induced dynamic nuclear polarization :CIDNP)や、パラ水素を用いた方法(Parahydrogen induced polarization :PHIP)、さらには、129Xeガスを用いた方法など、様々な超偏極技術が開発されている。その中でも溶液中で電子スピン(ラジカル)分子と核スピンの相互作用を利用する動的核偏極(DNP)法は、医療用超偏極装置(SpinLab)が開発されるなど医学的な応用が進んでいる。DNP法には、13C等の核スピンを持つ分子を偏極装置内でDNPを惹起した後、緩衝液で急速溶解して機能プローブとして生体に投与してリアルタイムな代謝反応を可視化するdissolution DNP-MRI法と、生体内に機能性を持つ電子スピンを予め投与して、実験動物の体内でDNPを惹起するin vivo DNP法がある。我々は、これらの2種類のDNP技術を用いて、がん代謝に基づく早期診断・治療効果判別法や、酸化還元(レドックス)代謝に基づく疾患の超早期診断技術の開発を行ってきた。特にin vivo DNP法では、産学連携研究において、オールジャパン体制での装置開発およびProof of Conceptを取得するための疾患モデル動物(マウスおよびブタ)を用いた応用研究、さらには臨床サンプルを用いた実証研究を推進している。本セミナーではこれらの最近の進捗を紹介したい。
参加申込み
参加登録サイト(https://registration.ims.ac.jp/SpinL_seminar_0723/)
その他
セミナー終了後に研究棟202でミキサーがあります(当日参加可)
主催者
⽂部科学省共同利⽤・共同研究システム形成事業(学際領域展開ハブ形成プログラム)
スピン⽣命フロンティア(Spin-L)
Spin-Lについて
Spin-Lは、文部科学省 共同利用・共同研究システム形成事業「学際領域展開ハブ形成プログラム」に採択された事業です。生理研・分子研・ExCELLSが中核となり、京大 化研、阪大 蛋白研、新潟大 脳研、量研機構 量生研と連携して、共同利用・共同研究のネットワークを強化します。学際豊かな研究機関、研究者、技術者が共に研究を進め、分子科学・生命科学・生理科学の融合から、新たな学術領域「スピン生命科学」を創成することを目指しています。