高速原子間力顕微鏡を基盤とした生命構成要素のマルチモーダルマルチスケール動態解析技術の開発

連携研究 2018年度

研究課題: 高速原子間力顕微鏡を基盤とした生命構成要素のマルチモーダル・マルチスケール動態解析技術の開発

プロジェクト代表者: 内橋 貴之(名古屋大学大学院理学研究科 教授)

研究概要

多様な生命現象は、個々の生体分子の高次構造とその時間発展、周囲の分子との相互作用などの動的プロセスを基盤として創発されることから、タンパク質から細胞までの多階層に渡る生体試料の動的情報を多角的に解析できる基盤技術は生命システム原理の探索に必須である。本連携研究では、生体試料の様々なダイナミクス現象をリアルタイムに可視化できる高速原子間力顕微鏡(AFM)技術を基盤として、蛍光顕微鏡複合装置の高度化、生細胞観察の構造およびレオロジー動態の解析手法の開発、空間分解能の向上を行うことによって、生体試料のマルチスケール・マルチモーダル動的解析法を確立する。

具体的には、

  1. 高速AFM/二色蛍光顕微鏡による構造動態・蛍光共鳴エネルギー移動の同時計測法の確立
  2. 高速AFMによる生細胞の細胞膜動態の安定観察と細胞のレオロジー特性の時間発展計測技術の開発を中心に行う。

また、高速AFMの空間分解能向上のための要素技術(探針材料と先鋭化技術の探索)開発を行い、サブnm分解能での生体分子の動態解析を可能にする。これら開発された技術は生命創成探究センターのグループと共有され、緊密な連携によって、生命システムの本質理解に向けた共同研究を推進する。