第2回ExCELLSセミナー

題目

分子でロボットを造る:
人工設計ペプチドチャネルとDNAコンピューティングによる感覚器の構築

 

演者

川野 竜司 博士

東京農工大学 テニュアトラック特任准教授

 

日時

2018年8月2日(木)16:00〜

 

場所

自然科学研究機構 生命創成探究センター
山手3号館2階 大会議室
(愛知県岡崎市明大寺町字東山5-1)

 

要旨

微生物や免疫系の好中球は外部の刺激を認識し、内部で情報を処理し、最終的に遊走性という形でアウトプットを行う。これは一種のマイクロサイズの駆体を持つロボットであると考えられ、タンパク質、脂質、DNAといった生体分子を使って構成されている。一方で、近年「分子機械」と呼ばれる分子でできたモーターやアクチュエーターを合成する研究が注目され、2016年にはノーベル化学賞も獲得した。本講演ではこれら分子機械を組み立てて作製する「分子ロボット」について紹介する(1)。特に我々のグループでは脂質膜で覆われたリポソーム型の分子ロボットの構築に取り組んでいる。そのために膜タンパク質のようにゲートが開閉する人工イオンチャネルの合成(2)、細胞や微生物と同じリン脂質膜をボディとして作る方法(3)、DNAで計算可能なDNAコンピュータの研究を行っている(4,5)。この新しい考え方で造られる分子ロボットを将来的に診断や医療の分野に応用したいと考えている。

 

1. Kawano, R. Synthetic Ion Channels and DNA Logic Gates as Components of Molecular Robots. ChemPhysChem 19, 359-366, (2018).
2. Kawano, R., Horike, N., Hijikata, Y., Kondo, M., Carne-Sanchez, A., Larpent, P., Ikemura, S., Osaki, T., Kamiya, K., Kitagawa, S., Takeuchi, S. & Furukawa, S. Metal-Organic Cuboctahedra for Synthetic Ion Channels with Multiple Conductance States. Chem 2, 393-403, (2017).
3. Kamiya, K., Kawano, R., Osaki, T., Akiyoshi, K. & Takeuchi, S. Cell-sized asymmetric lipid vesicles facilitate the investigation of asymmetric membranes. Nat. Chem. 8, 881-889, (2016).
4. Zhang, H. L., Hiratani, M., Nagaoka, K. & Kawano, R. MicroRNA detection at femtomolar concentrations with isothermal amplification and a biological nanopore. Nanoscale 9, 16124-16127, (2017).
5. Hiratani, M., Ohara, M. & Kawano, R. Amplification and Quantification of an Antisense Oligonucleotide from Target microRNA Using Programmable DNA and a Biological Nanopore. Anal. Chem. 89, 2312-2317, (2017).

 

※本セミナーは日本語で実施されます。

 

問い合わせ先
生命システム構築研究グループ 佐藤 幸治

 

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